クッチマン悠基子の 役に立つ・ちょっと楽しい心理学
TA交流分析理論は、社会心理学とも言われ、コミュニケーションを楽しくするツールにもなる。
1957年、カナダのエリック・バーン博士(Eric Berne)により創案された。職場で、学校で、
又、心理療法にも幅広く応用されている。人間らしく生きることを目指す人間性心理学の1つ。
個人が成長し変化する為のシステマティックな「考え方、感じ方、行動」の傾向パーソナリティー理論。
・自己理解と気づきで自分らしく生きる。
・自律性を獲得し、自発性を高める。
・親交、親密な交流を獲得する。
・人は誰でもOK.である。
・人は誰でも考える能力を持っている。
・自分の運命は自分自身が決め、その決定を自分で変えることが出来る。
自我状態、エゴグラム
自我状態を知る、エゴグラムで心のエネルギーを見る。
精神分析のフロイトは人の精神構造は自我、超自我、イドから成り立っていると
提唱した。エリック・バーンTAでは、フロイトの目に見えない概念を分かり易く
目に見える自我状態として、親的、大人的、子供的の自我状態を提唱した。
親的とは、生まれて10歳頃までに父親、母親のパーソナリティをそのまま
ファイリングする。人は、思考、感情、行動(心のエネルギー)の使い方に特徴が
ある。3つの構造、5つの機能を等を学び、人との交流に活用する。
4つの心の窓、ストローク
心の窓、ストローク、ディスカウントを見る。
ジョー・ルフト&ハリー・イングラムによる共同発案の性格構造論の「ジョハリの
窓」という4つの心の窓がある。オープンなマインドは人間関係が広がる。
ストロークは人間の心の健康にもっとも重要な行いで、ストローク飢餓に陥ると人は
マイナスなストロークでも求めようとする。ディスカウントは、自分、他者を見下
したりする。それは心の窓にも関係している。それらを学び対人関係を見直すツール
にしましょう。
人生態度、人生脚本、ゲームを見る。
人間にとって生まれて短期間の間は重要な意味をもっています。親との関係性から
「自分はOKである。あなたもOKである」という信頼関係を築いている。この体験を
「基本的な信頼」と言う。育つプロセスで「基本的な信頼が歪む」を味わいながらも
人は「私もあなたも共にOK」でありたいと思っている。エリック・バーンは「脚本」とは
人生早期に親の影響で発達し、現在も進行中のプログラムで、生きがいのある脚本、
歪んだ脚本があると。自分の脚本を見直し、生きがいのある脚本に書き換えましょう。
幼児決断、禁止令、拮抗禁止令を見る。
幼児決断は「禁止令」に関係していて、脚本を書くときに、子供ながらも生きて行く
為の構想に従い、生きる為の幼児決断をする。ボブ&メリーグレーディング夫妻に
よっての12の禁止令がリストされた。その内容は、まだ 子供が言葉を話さない頃、
母親の顔色や声の調子、態度などから親の感情や気持ちを理解している。また、
自分を駆り立てるドライバーの5つの拮抗禁止令がある。自分がどの禁止令を持ち、
どの拮抗禁止令に動かされているのかを知るのは大切なツールだと思えます。
認知療法を学ぶ。
認知療法は精神分析理論から派生した心理療法。カナダのアーロン・ベック精神科医
が提唱した心理療法です。人は生まれて成長するにつれて、受け止め方、考え方、
行動などの固定された「思考のくせ」を身につけている。出来事に対してどんな受け
止め方(認知)をしたのかによって感情が起こり、その感情により行動が起こって
来る。認知療法はセルフチェックがしやすい上、自分の思考のくせを知ることにより
自分の感情やストレス軽減に利用できる。是非 一緒にチェックしていきましょう。
対象関係論、人間関係論を学ぶ
「対象関係論を学ぶ」松木邦裕著の中の一説に「人の心の中には3次元的な内的世界
がある。ここに自己と対象が交流しているし、この内界の自己と対象の関係が投影
されて現実外界で対人関係が形成されている。これは現実社会で他者とやりとり
にその個人特有の対人パターン、人格的特性があり、そこに個人の精神が直接に反映
されている考えがある」と。心理学という学問的に難しく考えるのではなく、日常
で自分をよく知り、理解することは相手を理解し、相手を知る武器になると言える。
婚活、夫婦、家族、友人、職場、などなどの人間関係でストレスフルな現代、よい関係がスムースに構築できて、ストレス軽減に繋がればいいな〜と思い講座を始めました。
私が心理学に興味を抱いたきっかけは「なぜ人の性格は違うのか?」です。「それは性格が違うから」がシンプルな答えだと思いますが、なぜ?違うのでしょうか? 同じ出来事に対して、ある人はポジティブに受け止め、それを生かして人生を前に進めることができる。ある人は同じ出来事に対してネガティブに受け止めて、なかなか人生を前に進めることができない。それはなぜ何だろう?脳なのか?気質なのか?体験なのか?
遺伝子なのか? 子供のころの影響なのか?もし そうであるならばどんな影響があるからなのか?等などに興味をもちました。人生を楽しく生きる為に、心理学はとても興味深く、おもしろく、すべての人間に当てはめることができる。特定の人の為のものではなく、決して難しいものでもありません。是非 人間関係に応用して自己理解、他者理解に役に立ててほしいと思います。